一昨日、A事業所のE工場長から突然、電話があった。
「障害者年金の申請をしたいのだけれど、あちこち電話しても結局、たらい回しで…」
とのことだった。
早速、昨日、参考資料を持って、会社に出向いた。
「この間、年金の受給の有無を一人ずつ調べていたら、Sさんが受給していないことがわかった。景気が悪くなってきて、どうしても時間短縮になってしまう。それでも何とかできないかと思って…」ということだった。
Sさんは、中学卒業後から20年以上、入所施設にいた。
一昨年、A事業所に雇用されたのを契機に、施設を出てお兄さんと暮らすようになった。
施設にいた際も、一度、年金の申請をしようとしたのだが、結局、中途で終わってしまったとのことだった。
「診断書を書いてくれるお医者さんがわからない」ということで、知り合いのワーカーさんに電話をし、本日、初診ということになり、E工場長が連れて行った。
病院のワーカーさんも相談に乗ってくれたようだが、申立書に記載すべき幼少期の頃がわからず、家庭との連絡が必要と言うことだったが、まずは、2年前までいた入所施設に問い合わせをしてみたらどうでしょう? ということになった。
工場長のE氏は、昨日は本人と一緒に年金課へ行き、申立書と診断書をもらってきて、今日は今日は病院へ。
「親代わり」となって、色々と動いている。
その姿と行動の早さには、本当に頭が下がる。
事業所がそこまでやらないといけないのか?
地域の支援体制は? などと考えなければならないことはいっぱいあるが、これが現状なのだと思う。
40歳の彼の幼少期を知る手がかりは、唯一の家族であるお兄さんしかいない。
彼の生活を支援する人を見つけていかなければならないのは十分わかっていることだが、なかなか、先が見えてこないのも事実。
事はそう簡単には運びそうもない……。