独り反省会…

 このところ、オンラインでの研修から対面での研修に一気に切り替わった感がある。そして、講師依頼も一気に増えてきたが、「あー、しまったなぁ」「もっと言い方を変えておけば…」などと落ち込む機会もその分増えてきた。
 そんな時、悶々と独り反省会を開きながら帰路につくのだった。

研修会の対象

 研修前には、それなりの研修の趣旨、意図、参加対象者、時間等々の打合せは勿論するが、対象者が広くなればなるほど、同じ事を話すにしても、アプローチの角度が違ってきたり、紹介する事例、チョイスする言葉などが変わってくる。

 保護者だったら保護者。雇用事業所対象であったとしても、雇用経験の過多による違い。送り出し側であれば支援経験の違い……。「雇用促進法」の説明一つにしても、「法律」から入るのか、職業リハビリテーションの話しから入るのか、人権の話しから入るのか……。

また、最近の資料の中では「ジョブコーチ」の説明をほとんど載せることはない。よほど「ジョブコーチ支援の説明を入れてください」という注文がない限りは、「ジョブコーチ支援」は省略され、結局、どう転んでもよいように、「総論的な資料」となってしまう。

いざ、研修会本番!

 研修が始まる。研修会の主催者の資料に、出席者名簿、更には座席表などがあると、非常に話しがしやすい。特に、雇用企業、行政、支援機関、教育機関など色々な層の参加者がいる場合は、とても助かる。

 これは、自分自身が長い間高校教師として教えていた事にも依ることが大きいと思うが、独り1人の反応や、やりとりなどがないとどうしても安心できないからだと思う。

 しかし、ともすると「反応のよさ」故に、ついつい余分な一言や、予定になかった「脱線話」などを入れてしまうことがあり、時間配分が崩れてしまい、最後の辺りが端折ってしまうという、なんともお粗末な話しになってしまう。

 つい、先日の研修会もこれで、後々になって一番落ち込む要因となる。「調子に乗ってしまう」自分がイヤになる。また、講師としては失格だと思うし、何よりも、声をかけてくれた方への「申し訳なさ」で一杯になる。

「質疑応答」が更に追い打ちをかける!

 先だっての研修も、講演の時間が1時間。その後の質疑応答・意見交換に30分という枠組みであったが、非常に企業の皆さんの反応がよく、10分ほど時間をオーバーしてしまった。

 最初から「質疑応答の時間が長めにとってありますから、10分、15分延びても構いません」と言われてはいたが、やはりそれはダメだ。とまずは落ち込む。

 そして、質疑応答。これが、一番、後々になって「こう言えばよかった」と悶々とすること。

 質問されたことに対して、即座に答えた内容が質問者の求める答えとフィットしたものである場合は、明らかに質問者の表情が変わる。しかし、こちらの言ったことがたとえ正しいことを話していたとしても、「そこじゃないんだよ」という感じが醸し出されることもある。

 相手の方の属性も、背景も何もわからずに即答するのだから、ズレは生じるであろうし、個別の相談とは違うことはわかっていても、それでも、「違う言い方」「違うアプローチ」があったのに、と質疑応答が終わった後、時間が経てば経つほど、その気持ちが強くなる。

取り返す!

 時間が来れば研修会は終わり、質問された方とその後もお付き合いすることはまずはないとは思う。それでも、「折角質問してくれたのに……」と思ってしまう。

「主催者にメールを送って、質問された方にお伝えしてもらおう!」と思い、ちょっとメールにまとめているが、単なる自分自身の自己満足のためかもしれない。

 そして、研修後のアンケートがとりまとめられるというが、何かしらの質問があったら、できる限り丁寧に答えていくしかないのだな、と思う。

 まだ、取り返すチャンスはあるのだ。それがあるだけでも、まだいい。その機会をどう活かすか? だと。

 こんなことを書いてしまうからには、有耶無耶にはできないぞ、という自分への戒めに他ならないのだが……。

タイトルとURLをコピーしました