ジョブコーチとしての17年間…

17年前の今日、2006年11月1日、くらしえん・しごとえんが法人登記がなされ、この世に小さなNPO法人として誕生した。

「ジョブコーチ」としての活動は、その数年前より県の事業として細々と行ってきてはいたが、「職業としてのジョブコーチ」「障がいのある人と事業所、どちらかの立場ではなく、独立・中立・自立した存在としてのジョブコーチ」を目指して動き始めた日が、今日だ。

「ジョブコーチ支援事業」と「職場適応援助者養成研修」。
これを法人の軸として今日まで右往左往しながらもやってきた。

養成研修も、先週愛知での研修が終わり、これまでに44回、修了生も2,000人になろうとしている。

訪問型職場適応援助者助成金を活用してのジョブコーチ支援も、法人として330ケース。自身としても184ケースの支援を行ってきた。
この数字、ナカポツや支援機関の登録者に比べたら微々たるものであるが、毎年ほぼ毎月、新しい支援依頼が入り、アセスメントをし、計画を立て、現場に入り…を繰り返してきたわけだ。現場は一つとして同じものはなく、毎回毎回、新たな課題や環境に向かい合うのは、とてもしんどいものである。
元来、飽きっぽく長続きしなかった自分が、よくもまぁ、ここまで投げ出さずにここまで頑張ってきたもんだと驚くと同時によく頑張ってきたと褒めてあげたくなる。

ジョブコーチと言う言葉が少しずつ浸透するにつれ、その中身は何なんだ?「ジョブコーチをジョブコーチたらしめるものは?」「ジョブコーチの倫理観は?」等々。

これまでずっと、ジョブコーチということを問い返しながらの日々だった。

そして、これからもジョブコーチであり続けたいと強く思うのだ。
このところ、現場で小さな文字が見えない、長時間立ち続けると腰が痛くなってたまらない…、と言った具合で心身機能の衰えは目を覆うばかりだ。
いつまで現場に立ち続けることができるのだろう? そんなことを強く思う。

くらしえん・しごとえんは、利用者もいなければ、大きな事務所を構え、たくさんの従業員がいるわけでもなく、ウチの法人がなくなっても、何も困らないのだと思う。

それはそれで致し方ないと思うが、これまでくらしえん・しごとえんが長年現場で培ってきたものは、できうる限り次代の人たちに伝えていきたいと強く思う。

障害者雇用現場で感じてきたこと、身につけてきたことは、とても簡単には言葉にすることができない。だからこそ、求められる限り、1人でも多くの人に雇用現場で起きている事、だからこそ、現場に深く切り込んでいくジョブコーチが大切だということ、そして、ジョブコーチのスキルを伝えていきたいと強く思う。

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