昨日は、息子の脳外科の診察だった。
年に一度の脳波、CT、血液検査の三点セット。
朝一番から、お昼過ぎまで、あっちに行ったりこっちに行ったり……。
脳波のスパイクや、CTで映し出されるシャントの後や空洞部分。
僕にとって、つい忘れてしまいがちな息子の障害を改めて認識する日にもなる。
息子が2歳の頃だったろうか?
女房の実家に帰った時、いつも飲ませている痙攣止めの薬を忘れてきたことに気がついた。
静岡県の西と東。
今にして思えば、夜と朝くらい薬を抜いたって……、くらいに思うかも知れないが、その時は、とんでもないことをしたと思い、夕方、距離にして300km、車を走らせて薬を取りに行ったことがあった。
薬のおかげで、息子は一度も痙攣の発作を起こしたことはないが、それでも、脳波には確実にスパイクが認められる。
「変化はないですね」
その一言を聞いて、ようやく緊張感はとける。
病院での振る舞いを見ていて驚いた。
以前よりも人との会話が一方的ではなくなってきているのだった。
勿論、ほんのわずかなことであるが、真横にいないといけない自分が、一歩後ろに下がっていることができた。
何かしら、とっても嬉しかった。
とてもハッピーな気持ちで病院を後にできるかと思いきや、病院を出るときになって、息子は保険証と診察券を入れたカードを落とし、一悶着。
受付に届けられてあり、事なきを得たのだが、「ちゃんポケットにしまう。すぐにしまう」ができないのだ。(-_-;)
そりゃ、手にペットボトルと本とジャンバーを持っていたら、カードケースを持つには手が足りないのかもしれないが……。
(;´_`;)
お昼も既に過ぎ、帰りがけ、ソバ屋で昼食。
食べ終わった後、息子は、テーブルの上の台拭きで、口の周りを拭こうとした。
「違う! それ、台拭き!」
慌てて制止したが、普段、家の中でも怒られていることが、そのまま外でも出てしまっていた。
車の中で、「今日は、お前、随分と丁寧なやりとりできるようになってびっくりしたよ。すごいなぁ。でも、診察券といい、台拭きといい、お笑いじゃないけれど、ちゃんと『落ち』もつけてくれるからなぁ……。笑わせてくれるわぁ~」
と言って、息子と二人で笑いあった。
既に僕よりも7~8cmは背も高くなっているが、やっぱり「親は親」だと。
久しぶりに「親」丸出しになった気がする。