「わたしは、ダニエル・ブレイク」

みんな一緒 独り言(おさむ)

 2016年カンヌ映画祭のパルムドール受賞作品です。
 時間がなんとなく過ぎていく中、レビューの高評価と「59歳のダニエル・ブレイクは、心臓の病を患い医者から仕事を止められる。国の援助を受けようとするが、複雑な制度が立ちふさがり必要な援助を受けることが出来ない……」といった作品紹介に引かれ、amazon primeで見た映画です。

 自分には、ダニエル・ブレイク、シングルマザーと二人の子供の家族、彼らに対応する福祉サービスの職員、いずれの気持ちもよくわかるような…、かといってどこかの立場にずっぽりと共感もできずに、ウロウロしているうちに映画は終わりを迎えてしまいました。
 それでも、「人が働く」ということに関わっている自分にとって、ダニエル・ブレイクの言葉は心に重く突き刺さりました。

「私は依頼人でも 顧客でも ユーザーでもない。怠け者でも たかり屋でも 物乞いでも 泥棒でもない。国民健康保険番号でもなく エラー音でもない。
きちんと税金を払ってきた。それを誇りに思っている」
 映画の中のエピソードがこれらの言葉に詰まっています。
 そして、それらのエピソードは私たちの日常でも直面する光景でもあります。

 日本とイギリス、国は違っても社会保障制度については、根っこは同じような気がします。
 何よりも彼が求めたものは「施し」ではなく「当たり前の敬意ある態度」。
 そして、最後の言葉です。
「私はダニエル・ブレイク。一人の市民だ。それ以上でもそれ以下でもない」と。

 長かった年末年始の休みもおしまいです。
 ボーッとした頭を切り替えていかなくては……。

 

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