「この階段掃除、どうやって教えたら良いですかね?」
「どのくらいの人が通るの?」「かなり肩に力が入っているね」「持つ位置が上過ぎない?」
支援現場の動画や写真を見ながら、3人であーでもない、こーでもない、と意見を出し合う。
そんな光景が事務所では繰り返されている。
しかし、いつも前向きで明るい話ばかりなら良いけれど、そんなものではない。
滅多打ちのサンドバッグ状態で帰ってきたり、支援に向かう足取りが重いときの方がむしろ多かったりもする…。
現場に入れば、そこは自分一人の世界。
完全アウェイの世界、とでも言ったら良いだろうか?
雇用現場におけるジョブコーチは、全くの部外者。
本来はいるはずのない人間。
どれだけ経験を積んでも、支援現場における、緊張感は変わるものではない。
特に、新しい現場に入るたびにジョブコーチとしての居場所の無さ、孤独感は何ともいえないものがある。どこまでも「一人」なのだ、と痛感する。
だからこそ、何かあったときに、すぐに相談に乗ってくれる人たちの存在は重要なのだ。
上手くいかなかった時など、なおさらの事。
いや、そもそも職場でうまく適応できてないから支援依頼が来るわけで、頭を悩ませることの方が多いのは、当たり前といえば当たり前なのだ。
現場での支援が忙しく、すれ違いが多くなったり、ゆっくりと話ができないときなど、ストレスがたまり、マイナス思考がどんどん強くなってしまう。
「そんなにしんどければ、今日は、現場に入るの変わろうか?」
そう声をかけてもらうこともある。
それだけ、「よし!」と気持ちを奮い立たせることができる。
そうして、現場にまた、立ち向かっていく。
強烈なカウンターパンチを食らって返り討ちにあうことがあっても、、この事務所に帰ってくれば良いのだ! また、一緒になって考えれば、違う手立ても浮かんでくる。
動いていれば、必ず何かが見えてくるし、確実に前に進んでいくのだ、と。
…そう思う。