3年ほど前、2006年の春、講義資料の中で、「いきなりジョブコーチ」「とりあえずジョブコーチ」「なんちゃってジョブコーチ」という言葉を使った。
その後、自立支援法が本格施行され、就労移行支援事業所が生まれ、「就労支援員」が誕生し、多くの支援員が「現場」に出るこようになった。
昨日、とある企業の見学会があり、僕と水野の二人で参加してきた。
その中の一コマ。
就労移行支援事業所の職員さん(?)が参加していた。
「何か質問ありますか?」と責任者が聞いた。
その職員は、すぐ横に近づき、いきなり名刺を出して相手に渡した。
そして、なにやら質問(?)をはじめた。
すぐ隣で話すことなど、こちらには聞こえるわけがない。
しかも、昨日は、施設の利用者の人たちも7、8人参加していた。
何を考えているんだろう?
その事業所は、どんな教育をしているのだろう?
それ以前に、本人の常識をうたがわざるを得ない。
そんな人たちが「支援員」として現場に入っていくのだろうか?
最近、ジョブコーチ養成研修をはじめ、福祉施設職員に対して、ことさら強調する。
「事業所にとって、ジョブコーチだろうが、支援員だろうが、関係はない。
『部外者』が『障害者』と一緒に、『現場』にズカズカと入り込んでくる。
そういう自分たちを意識しなければいけない」と。
法人の都合で、「いきなり」現場に入っていったり、前任者が辞めてしまったため、「とりあえず」就労支援に関わったり……。
そうした状況を見聞きすることが多い。
支援者の一言が、本人の一生を左右することがあるということに対する自覚をどれだけもっているのだろう?
そんな「ジョブコーチ」の話しを聞くことが随分と増えてきた。