不況

「明日、会社から、親御さんと一緒に来て欲しい、と言われました」
 この間、知人からの紹介で、電話で相談に乗っていた方のお宅にお邪魔し、2時間ほど色々と話をしてきた。
 2年の「実習期間」を経て、昨年の8月からようやく社会保険にも加入させてもらったが、今年になってから、「本人にできる仕事がない」「自宅で休んでいてください」「他の仕事を探していただいても結構です」等々…。

「はっきり『解雇』なら『解雇』と言って欲しい」
「実習ということで2年間きたけれど、『きちんと教えればできるはず』と言ってきたのは会社の方…」

 本人もとても穏やかな方。ご両親、特に父親などはとても温厚な印象を受けた。
 また、社会で働くということの厳しさもわかっており、だからこそ会社にも

「会社の求めることができなければ、他の仕事をさがしますから、遠慮なく言ってきてください、と今まで言ってきたのに…」

 特別支援学校を卒業してそれなりの年数が経つと、繋がりも希薄になっている。また、福祉施設のサービスや、制度もよくわからない。どこに相談してよいのかわからない人が多くなっている。

「とにかく、会社が何を言いたいのかを聞いてきて、決して感情的にならずに、また、相談してきます、ということにしましょう」ということになった。

「辞めてしまった人や再度チャレンジしようという人」に対しては、それなりの「制度」もある。
 しかし、「今、雇用継続の危機にある人」に対しては、どうしていったら良いのだろうか?
 相談を受けたにしても、どう動いたら良いのだろう?
 どういう立場で関わっていったら良いのだろう?

 今の僕には、少しでも話を聞き一緒に悩むことしかできない……。
 (お)

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