おおいた大会-4-「障害は個性?」

 全国障害者スポーツ大会は、遙か彼方の出来事になってしまっている今日この頃。

 この大会でもまた、スポーツの楽しさ、スポーツの素晴らしさ、スポーツのもつ力……そうしたものたくさんん感じることができた。

 大会に出かける前、日常的な練習などにもほとんど顔を出せなくなってしまっている状況が続き、こうした大会への監督、コーチももう終わりにしないと、と思っていたのだが、大会が終わる頃には、「関わりを持ち続けよう」という気持ちが、ムクムクと顔を持ち上げてきた。

 そして、こうした大会に参加するたびに、4年前の埼玉での全国障害者スポーツ大会での稲葉さんの言葉を思い出す。

 僕は、静岡県の陸上チームの伴走者として参加した。その大会期間中、同室だったのが視覚障害者の稲葉さんで、彼はシドニーパラリンピックの柔道、日本代表選手にもなった人。

 本当に見えないの? と思えるほど、彼の行動はキビキビしていた。

 大会も終え、埼玉のホテルを出て静岡に戻る日、陸上チームのキャプテンとして、ボランティアさん、現地スタッフの皆さんへの挨拶の中、次のようなことを言った。

「ここにいる私たち障害者は、もう一度生まれ変わった時、同じ障害を持ちたいかと思う人は、一人としていません」と…。

「障害は個性」という言葉を耳にすることがある。

 稲葉さんの言葉とのギャップは何?

 全国障害者スポーツ大会の期間中、たくさんの「アスリート」達に出会うことができ、幸せな気分に浸ることができたが、大分を離れ、日常生活に戻ると、その現実の厳しさに、ついつい背中を丸めている自分がいたりする……。

(お)

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