養成研修が終わって、浜松に戻ってき来ましたが、落ち着くまもなく、新しい支援の打合せや、診察の同行、土日もそれぞれの現場へと、めまぐるしく現実は待ち構えていました。
ともするとそんな日常に埋没しそうになりますが、そこは、しっかりと反省しないといけないと思います。
今回で、くらしえん・しごとえんの職場適応援助者養成研修も第10期となりました。
修了生も既に400人近くになります。
しかし、実際、「第1号、第2号」として助成金をもらって活動している修了生の数は少ないのが実情です。
また、養成研修を終了後、部署が変わったり、退職した方も少なくありません。
折角、研修を修了しても活躍する場所がまだまだ狭いというのもあろうかと思います。
これは、制度上の問題に起因するところも大きいかと思います。
一方、確かに活用しにくい「助成金」かもしれませんが、あくまでも「支援」のための「助成金」であって、「助成金」のための「支援」ではないことも明白です。
障がいのある人たちの就労、雇用にはまだまだ課題は多く、「現場」に人を送り込めば何とかなる、という短絡的なものではありませんし、現場はそんな簡単なものではありません。
障がいのある人だけではなく、そこで働く人、全ての人生が錯綜する場所です。
そのような場所に、簡単に支援者が入っていってしまっている、今の障がい者雇用の現状に対し、恐ろしささえ感じると共に、「ジョブコーチ」という言葉だけが先走っていることに危惧を感じます。
この養成研修は、「職場適応援助者」として活動する人たちを養成する研修ですが、6日間でできることは、基本的な理念や、ものの見方・考え方、様々なヒント…等、本当に入り口でしかありません。
大切なのは、現場に戻ってからのことです。
今年も、12月にはフォローアップ研修として事例検討会を開催します。
松為先生も参加していただき、現場でおきている様々な出来事を通して、改めて支援者としての有り様を見つめ直すことができれば、と思います。
養成研修が終わる度に、次はもっと良いものを、と思いますが、受講生にとっては、「1回限り」の研修です。
もっともっと、自らに厳しくならねばならないと思います。