「君たちは、この3年間、学校行きたくないないあ、ってずる休みしたことはないかぁ?」
…ニヤニヤ…
「ま、先生たちもいるから、ずる休みなんて一度もなかったってことにしておこうね!」
…笑い…
「君たちのお父さんやお母さんが『会社いきたくない!』ってダダこねて、布団から出てこない所を見たことあるかい?」
「雨降ったって、どんなに暑くたって、どんなに寒くたって、会社には毎日、行くんだよね?」
「夏休み、冬休み、春休み…、小学校から12年間、君たちにあった長期の休みは、この先、二度とないんだよね?」
「君は、いくら給料もらうんだい?」「土日も仕事の人は?」
そんなやりとりをベースに1時間。
特別支援学校の高等部3年生のうち、一般企業、A型事業所に行く生徒たち15名を相手に話をしてきた。
昨年の9月には、企業実習が始まる前に高等部の生徒全員を前に、特別授業をした。
1年生から3年生まで、将来の希望もマチマチ。
色々な現場で働いている特別支援が校の卒業生たちの動画などを見せながら、「働く」イメージを少しでも…、という感じだった。
しかし、今回は違う。
皆、「雇用契約に基づく労働」という場に出ていく。
お金をかせぐことの大変さ、そして大切さ。
「『支えられる側』から『支える側』に変わっていくんだよ。」
「君たちの弟や妹、後輩、おじいちゃんやおばあちゃん、そうした人たちを支えていくことになるんだよ」
あっという間の1時間。
保護者の方も数人来ていた。
「今から10年先の事はわからないです。でも、10年後は必ず来ます!」
「卒業、おめでとう」
そう伝えて話を終えた。
もうじき卒業式。
みんな、がんばれよ!