「あの頃」

 昨日、中学校の同窓会があった。

 中学を卒業して早37年。
 2001年に卒業以来初めて同窓会が開かれ、前回が5年前。
 1学年9クラス、学年全体で約400名の卒業生のうち、80名ほどが集まった。
 お互いの「変わり果てた」姿に驚きながらも、すっかり途切れていた記憶をたぐりよせながら、てんでバラバラの「あの頃」を口にしていた。

 37年振りに再開をしたM。

「今日、同窓会に来るのがこわかった」と言っていた。

 そう言った彼の気持ちが本当によくわかる。
 僕自身、小学校から中学校時代の自分を思い返すと、恥ずかしい思いやイヤな思いの方がたくさんありすぎる。
 人を傷つけたこと、傷つけられたこと。

 それでも、無性に「あの頃」をほじくり返したくなる。

「大丈夫、そんなことはなかったよ」
 そう言って笑って許してもらいたいと、心の奥底にしまい込んでしまっているたくさんの「出来事」も周りの人間にしてみれば、そんなこと全然覚えていない。

「お前らしいね!」「変わってないなぁ」
 そんな言葉を何人もに言った。そして言われた。

 そんなもんだろうな。
「あの頃」があってこその、「今」なんだろう……。

 次の同窓会は5年後の2015年とのこと。
 5年後、どこで何をしているんだろうか?
 なかなか思い描くことは難しい。

 けれど、「あの頃があったからだね」と言っている、そんな自分でありたいと思う。

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