おおいた大会 -2- バイキング料理

 ホテルでの食事は、大体バイキング料理が多い。

 この光景はある種、非常におもしろくもあり、また、色々と考える。

 知的障害の選手は、特別支援学校の生徒たちも多く、こうしたバイキング料理などの経験も少ない。取りたいだけお皿にとり、食べたいだけ食べる。順番、ということを忘れることもある。勿論、コーチ、監督に怒られる光景もしばしば見かける。

「社会にはルールがあるのだ! 君たち!」「でも、こうした体験ができることは、良いことだぞ! とついつい目を細めてしまう。。

 方や車いすの選手もいれば、視覚障害の人もいれば上肢が欠損している人もいる。

 だから、食事をとって自分の席に着くまでに非常に時間がかかる。

 この大会で同行している、視覚障害の彼女の場合も、まずは、何があるかを説明するから、時間は人の倍以上かかる。色々な種類が食べられるというのも良いかもしれないが、説明する側にしてみると、非常に大変な作業ではある。最後のほうに食べたいものが出てきても、お皿に乗りきらない、ということもあるし、一つ一つの量にしても難しい。

 完全に僕の主観で説明しているのだから、彼女の食事は、僕のフィルターを通した食事と言っても過言ではない。

 今回のホテル、料理の配置がよくないために、必要以上に時間がかかる。

 かといって、時間がかかっても誰も文句は言わない。

 しかし、練習から疲れて帰ってきた時や、出発が早い時間の時など、選手としてはいらいらすることもある。ホテルの対応をはじめ、ついつい、文句の一つも言いたくなってしまうが、僕の場合も後ろに人がずらっと並んでいるときは、「混んでるから、とりあえず、後でね」と「省略」することも多くなる。

 本当はゆっくりと食べたいものを説明してあげたいとは思っても。

 明日の朝は、7時にはホテルを出発するため、5時半から食事の時間になる。開会式の時間はきちんと決まっているので、遅れるわけにはいかない。

 僕も彼女と明日の朝は、6時前には食事に行くことにした。

【ホテルからの別府湾】

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【公式練習の監督会議】

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