2007年からスタートしたくらしえん・しごとえんの職場適応援助者養成研修も2020年3月末の時点で、研修開催は34回、修了生は1,500名以上となった。
 たった6日間の研修、それだけでジョブコーチがなんなのかをとても伝えきれるものではなく、この研修は「職場適応援助者助成金」を受給するための「要件」の一つに過ぎない。つまり、この研修は「職場適応援助者」として活動することを前提とした研修なのである。ジョブコーチとしての活動をするためのスタートラインに立つための研修ということをどれだけの人が理解しているのだろうか?

 しかし、ここ何年かは「就労支援の基礎研修」的色彩が強くなってきている。
また、「職場定着支援事業」の加算研修ということもあり、これまで就労支援の経験が全くなかった福祉事業所の受講希望も多くなってきている。
 実際、助成金額面からもジョブコーチ支援事業だけで、到底成り立たない。
 また、福祉サービスの「充実」もあり、訪問型職場適応援助者はその数も減少している。
「訪問型職場適応援助者は絶滅危惧種!」などと自嘲気味に言うこともある。企業在籍型職場適応援助者がいれば良いのではないか? 等という声もあるようだが、決してそんなことはない、と思う。
 しかし、実際数は減っているのだから、少数派の意見として多数の中に埋没していきそうな危機感を抱いている。

 訪問型職場適応援助者(ジョブコーチ)の存在意味をはっきりさせていくことがこのような混沌とした時代の中で、とても重要だと思うし、思っていることをどんどん伝えていくことが必要だと思っている。

 この夏、厚労省の養成研修修了生への実態調査の依頼もあり、修了生のデータを整理した。
 メールでの管理をこれまでも行ってきたが、一気にエラーメールの処理を行った。
 UserUnknown、HostUnknown、no mailbox here…
 一つ一つのエラーメールの中身を見ながらの整理。
 あ、この人は辞めてしまったんだなぁ…。
 会社そのものがなくなっている…。
 このメールアドレスにはアクセスしなくなったんだ…。
 1,500名超の内、200ちょっとの届かなくなったメールアドレスは、全てくらしえんのメールアドレスを付与してある。
 この先、何かのきっかけで再び養成研修の「修了生」として声がかかることもあるかもしれない、そう思っている。

 中には、2月の研修を受講して年度末にはその法人を退職していったという人もいる。
 しかし、研修修了後、10年以上ジョブコーチとして活動をし続けている人たちもいる。立場が変わり後進を指導するようになったりして、第一線から退いた人たちもいるが、そうした人たちとのつきあいこそ、障害者雇用の生々しい話しを共有できる人たちであり、一番の宝となっている。

 くらしえん・しごとえんはとっても小さな法人ではあるが、ジョブコーチを名乗り続けて雇用現場でこれまで右往左往してきた・している経験と雇用現場の実践で繋がっているジョブコーチ仲間については、決して負けないと思っている。

「UserUnknown」になってはならないと思う。
 これは、メールアドレスの話しではなく、誰かと繋がり続けることこそ、人が生きていく上でとても大切な事であり、誰とも繋がらない「孤立」が少しでもなくなっていくように…、そんな思いを強くしていた。

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