配慮

 辛い時ほど、相手からの心遣いは本当に嬉しい。

 支援している時には、本人や母親の代弁者となって何でも言える。でも、自分の子供のこととなると、何も言えないし、我慢することが身についてしまってる自分がいる。

 頬骨を削る手術は7時間かかった。13:30に手術室に入り、21:30に担当医の説明を受けた。とりあえず無事に終了。

 後は、子供の顔をみれば安心する。早く合いたい私は、2階の手術室より6階の病棟へ戻る子供をエレベーターの前で待っていた。

 30分くらいで戻るといわれた子供。でも40分経っても、エレベーターは動かない。だんだん不安になってくる。

 その時、担当医とまたエレベーター前であった。

 医  「まだきませんか?」 

 私  「はい。」

 医  「お先に失礼します。」

 私  「ありがとうございました。」

 “先生もどんなにかお疲れだろう。”そう思っていると、エレベーターがあがってきた。

と、さっき帰ったはずの担当医が、

 「水野さん、あと30分で病棟に戻るそうです。すいません。もうしばらくお待ち下さい。」

と、わざわざ知らせに来てくれた。看護師に電話すれば済むことなのに・・・

 担当医の気遣いは本当に嬉しく感激した。しんどい時ほど、人の暖かさは心に染みる。

 社会の偏見が辛くて、家に子供と引きこもっていた時期があった。誰にも傷つけられない二人の世界は、それはそれで幸せだと、その時は思っていた。

 “人を傷つけるのは人だけど、人を励まし助けてくれるのも人なんだ”  

と、今回も身に染みて思った。

 今週は、ずっと病室で付き添っていた。目が覚めると私を探し、目があって私がにこっとすると、又眠りにつく。その繰り返し。昔引きこもっていたときみたいに幸せな空間。

 今一番の子供の楽しみは、退院祝いで「牛角」に行くこと。そして私は・・・

 禁酒が解禁すること。

 えへっ  (*^_^*)

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